「疾病利得」という言葉は、「『症状で困っている』と言っている人」に困っている人が「症状で困っている人」を批判的な解釈によって理解しようとして使われることが多いように感じています。
でも、そのような見方で疾病利得を理解しても「症状で困っている人」を本当に理解することはできないと思います。
次のページに、疾病利得の説明していますので、
参考にしてください。 –> 疾病利得
ここでは、それとは少し違った説明をします。
その1
疾病利得とは違うかもしれないのですが、原理は似ていることがあります。
昔、「魔が差したように痴漢をしてしまうことがある」と悩まれていた方がいました。
自己診断によると、「仕事でストレスが溜まったときにしてしまう気がする・・・」ということでした。
更に話を聞いていくと、
痴漢をして捕まった後、駅員や警察官など、いろいろな人が、「どうして、そんなことしたの?」、「ダメじゃない、何かあったの?」などと、いろいろと話を聞いてくれた。
と教えてくれました。
そう話した後、彼は、
「本当に望んでいたのは、自分の話を誰かに聞いてもらうことだった!」
と気づきました。
そして、力強く、明るい表情で言いました。
「話したいときに、話せる人を見つければいいんだ!これで、もう痴漢はせずに済みます!」
この場合の「疾病」は問題行動、「利得」は人に自分の話を聞いてもらえることです。
※「偽解決」という言葉の意味は、疾病利得と似ています。ご参考まで・・・。
その2
昔、私が、パニック障害で困っていたときのことです。
(その頃は、「パニック障害」という言葉は、まだ、世間ではあまり知られていませんでした。)
大学病院に行って、心臓の検査をしてもらいました。
いろいろ検査した結果、医師は、「問題ない、健康!健康!」と言って、笑顔で私の背中をたたきました。
この時は、とても複雑な気持ちでした。
私は、症状に困っていたので、「健康」と言われることは、「原因不明」と言われているようなものです。
症状が治ることが期待できません。
絶望的な気分になりました。
私は、病気だと言って欲しかったのです。
『病気だったら、「治療をしたら治る」と思えるから安心できる。』、これも、ある意味、疾病利得と言えると思います。
ちなみに、次のページで、心を楽にする方法を「心の病気じゃない」という立場から説明しています。
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