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02. 『苦しい人生』のイメージ
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読むカウンセリング(創刊号 2005/11/05)
こんにちは、「ピュアハートカウンセリング」カウンセラーの田中です。
いよいよ、メールマガジンの発行を始めます。
読者登録して下さいました方、どうもありがとうございました。
みなさんのお役に立てるようなメールマガジンを発行していきたいと考えていますので、どうぞよろしくお願いします。
『苦しい人生』のイメージ
今回は、『苦しい人生』のイメージについて、トランプのゲームに例えながら説明してみたいと思います。
トランプは、ハート、ダイヤ、スペード、クラブの4種類のマークのそれぞれにA~Kの13枚のカードがあり、それにジョーカー1枚を加えた53枚が1セットになっています。
初めてトランプを手にした人にとっては、「色々な模様のカード」という認識は出来ても、それ以上の意味はありません。
それぞれのカードの意味(例えば、「A」は「1」を意味するなど)と、ゲームに関するルールを理解しなければ、ゲームは始められないのです。
そんな前提の下、例え話を続けていきたいと思います。
(その1)
ある少年がはじめてトランプを手にしたときに、ジョーカーを見て、とてもきれいだと感じ、そのカードを大切にしていたいと思いました。
(その2)
その少年が道を歩いていた時に、道ばたでトランプで遊んでいる人たちと出会い、そして、興味を持った少年は、仲間に入れてもらいたいと感じました。
でも、トランプでどのようにして遊んでいるのかが分からないので、一緒に遊ぶことが出来ません。
そこで、しばらく、近くで様子を見ていることにしました。
その遊びは、最後にジョーカーを持っていた人が負けになってしまうというルールになっている事が分かってきました。
その人たちは、ババ抜きをして遊んでいたのです。
「ボクは、大切にしたいと思っていたカードだけど、それを最後まで持っていたら負けになってしまうんだ・・・」、少年はそう感じました。
しかも、負けた人は、タバスコを一瓶飲み干すという罰ゲームをしなければならないということも分かりました。
また、一番早く手持ちのカードが無くなった人には、ケーキが食べられるという魅力的な特典があることも分かりました。
少年は、「仲間に入れてもらいたいけど、罰ゲームはいやだなぁ~」と迷っていました。
すると、そんな様子を見ていた少女が、「一緒に遊ぼうよ!楽しいよ!!」と誘ってくれたのです。
嬉しいような嫌なような複雑な気持ちになりましたが、誘われるままに、トランプ遊びに参加することになりました。
トランプで遊びながら、本当はジョーカーのことが大好きなのに、罰ゲームの事を考えると、手元にジョーカーがくるたびに、少年は嫌な気持ちになってしまいます。
何でもやり始めは上手くいかないのは世の常で、少年も、初めのうちはコツが分からずに、何回も罰ゲームをしなければなりませんでした。
でも、次第に、カードを取ろうとするときに相手の表情を見ながらジョーカーを避けることも上手になっていきました。
最初はイヤだったゲームも、慣れてくると結構楽しいものです。
その仲間とトランプをする時は、いつも、ババ抜きでした。
気が付くと、仲間がトランプを取り出したときは、少年は自分が用意した罰ゲーム用のタバスコを自分の鞄から進んで取り出すようになっていました。
(その3)
あるとき、少年は隣の国に旅行に行きました。
街を歩いていると、道ばたでトランプをしている人たちと出会いました。
その少年がいつもと遊んでいる時と同じように、傍らに罰ゲーム用のタバスコと、特典用のケーキが準備されていることにも気づきました。
少年は、既に、トランプのルールやコツは熟知していました。
ですから、言葉は通じないのですが、何のためらいもなく仲間に入っていきました。
仲間に入った初回に、運良く、一番初めに手持ちのカードが無くなり、大喜びしていました。
しかし、最後までジョーカーを持っていた人が、大喜びでケーキを食べ始めたではありませんか!
しかも、周りの人たちは、寄って集って少年にタバスコを飲ませようとしたのです。
少年は、その時、何が起こっているのかが全く理解できませんでした。
「ボクが勝っているのに、どうしてみんなはそれを認めようとしないんだ!」と相手を責めました。
責められた相手は、その少年が負けである事は明確なのに、なぜ、怒っているか理解できず、とても困ってしまいます。
次の回に、ジョーカーが最後まで手元に残ってしまって、とても嫌な気持ちになっていたときは、みんなが賞賛し、ケーキを食べさせてくれたので
す。
「こんなはずはない、ボクは負けているはずなのに・・・。」、少年の混乱はより大きいものになっていきました。
しかし、言葉が通じず理由を確認できない少年は、混乱した気持ちの中で、その後も、ただ、大切にしたいと思っていたはずのジョーカーを、真っ先に捨て続け、そして、大切にしたいと思っていたはずのジョーカーが手元に来ないように工夫し続けることしか出来ませんでした。
【解説】
外国で出会った人たちは、『ババ抜き』ではなく、『ババ残し』をして遊んでいたのです。
トランプを使う遊びには、他にも、神経衰弱や7並べやポーカーなど、本当に様々なものがあるのは、皆さんも良くご存知のことと思います。
でも、少年は、ババ抜きしか知らなかったのです。
自分たちの隣のグループがUNOをやっている事すら気付く事が出来ませんでした。
もし、少年が、周りの人たちがどのようにして遊んでいるかをゆっくり観察する事が出来ていたら、色々な遊びがあることに気付けていたかもしれません。
自分が大切にしたいジョーカーを大切に扱えるゲームがあることに気付く事も出来たかもしれません。
もしかしたら、ポーカーをしようと言う事が出来ていたら、一緒にトランプをしていた外国人たちは、簡単にそれに応じてくれる人たちだったかもしれません。
ここで説明した(その1)~(その3)の内容は、普段の私たちの生活の中における次のポイントを表しています。
(その1): 自分にとっての大切なものを大切にしたいと思う
(その2): 家庭のルールを身につける
(その3): 社会のルールと出合う
自分に適用されるルールが、「家庭のルール」から「社会のルール」に変わったとき、そのルールの違いに戸惑っている状態が、人生や人間関係について悩んでいる状態と言えると考えています。
「社会のルール」というと、明確なルールがありそうな感じがしてしまうかもしれませんが、実は、明確なルールが無いというのが本当のところかもしれません。
社会のルールは、法律以外は、家庭のルールの寄せ集めに過ぎず、家庭毎のルールの違いを考えると、「社会のルールは多種多様である」というのが社会のルールなのかもしれないと思います。
○あなたにとってのジョーカーは何ですか?
○あなたの家庭のルールはどのようなものでしたか?
○あなたの周りには、他にどのようなルールがありますか?
自分にとってのジョーカーの意味をもう一度思い出し、自分を取り巻く環境にある色々なルールに気付こうとする事は、ジョーカーを大切にしても良いという事に気付いたり、ジョーカーを大切に扱うことをルールとしているところを探したりすることを手伝ってくれるかもしれません。
【メールマガジン編集後記】
メールマガジン「読むカウンセリング」の創刊号を11月5日に発行しました。
発行部数は85部でした。 読者登録した頂いた方、ありがとうございました。
メールマガジンの創刊号を発行するに当たって、書く内容についてかなり悩みました。
そして、細かなところの説明を始める前に、まず、悩みの中でも、解決できないと感じてしまう悩みのイメージをつかんでいただいた方が良いのではないかという結論に至り、今回の内容から始める事にしました。
準備号の説明を読んで下さっていた方は、もしかしたら、そこから期待して頂いていた内容とはかなり離れたものに感じられた方も多いかもしれないと思います。
でも、今回のメルマガを書き終えて、大事な部 分を結構上手く表現できたと自己満足しています。
【例え話】と【解説】の2部に分かれているのですが、【例え話】の部分を何回も読んで頂けると、きっと、 悩みから解放されたり、悩んでいる人の事を理解したりする為の、何かヒントのようなものを感じて頂けるのではないかと期待しています。
メールマガジン創刊号配信から22時間後に、読者数を確認したところ、2名減少していたので、ちょっと不安を感じる部分もあるのですが、皆さんの声を聞きながら、挫けずに前に進んでいきたいと考えていますので、これからも、どうぞよろしくお願いします。