心を楽にするために振り返る子育て

06. 『暗い』という言葉について

読むカウンセリング【No.0005】 2006/02/11


こんにちは、「ピュアハートカウンセリング」カウンセラーの田中順平です。

メルマガ発行の努力目標を月2回と心に思っていたのですが、なかなか実現できずにいます。

でも、月1回は必ず発行しようと思っていますので、これからもよろしくお願いします。

『暗い』という言葉について

1.『暗い』といった言葉を使うことの弊害

性格を表現する言葉の一つに、『暗い』という言葉があります。

「あの人の暗いところが好印象だ!」という文脈で使われる事は、まず、ありません。

『暗い』という言葉には良くないニュアンスが含まれているということは、多くの人の共通の認識だと思います。

そして、特に、悩みに陥っている時などは、何となく良くないニュアンスを含ませるものの、具体的な事象を意識せずに使ってしまっていることが、とても多いように感じています。

言葉を替えると、「あの人は暗い」とか「私の性格は暗い」などとというように説明すると、その人の本質を理解したと思ってしまいがちですが、実は、本当の所から意識を外すことになるということです。

また、『暗い』などという言葉をあてがってしまうと、解決への道が閉ざされてしまい、行き詰ったと感じてしまうことも多いかもしれません。

そして、行き場を失った心は、本当の気持ちは脇に置いたまま、苦し紛れに「暗い性格がダメだ」と自分自身を責めたり、「あいつは暗いからイヤだ」と他の人を切り捨てたりする状態に陥ってしまい、時には、自己嫌悪を感じてしまうことにもつながるのではないかと考えています。

自己嫌悪を感じるのは、「本当の気持ちを大切にしたい!」という心の叫びなのかもしれません。

今回のメルマガでは、特に、自分自身の性格を『暗い』と表現してしまっている場合について、ご説明したいと思います。

2.『暗い』という言葉から解放される為に

もし、あなたが自分の性格を『暗い』と表現する事で、何かから抜け出せなかったり、何かを諦めなければならないと感じてしまったりしている状態なら、まず、次のような事を、自分自身に問いかけてみる事が大切です。

●『暗い』とは、具体的には、どのような事を指しているのだろう?

その答えとして、例えば、

  • あまり話せないから
  • おもしろい話が出来ないから
  • いつも一人でいるから
  • 気分が重いから

など、これを考える方によって、様々な理由が思い浮かぶ事と思います。

私は、全ての人の心は、『もともとは、すがすがしいもの』だと信じています。

これに関する詳しい説明は省きますが、恐らく、それが真実だと思っています。

そんな『すがすがしい心』が、何らかの事情があって、

  • あまり話せない状態になっている
  • あまり話をしていないと感じる状態になっている
  • おもしろい話が出来ない状態になっている
  • おもしろい話をしなければ受け入れられないと感じる状態になっている
  • 一人でいたい状態になっている
  • 人の輪に近づき難い状態になっている

ということなのです。

そして、『すがすがしい心に戻る為の道』は、その事情を理解しようとするところから始まっているのです。

事情を理解するとは、例えば、何かを話しかけたとき、毎回、「うるさいから、黙れ!」といつもいつも、怒鳴られ続けると、話すことが怖いと感じてしまう気持ちは理解できると思います。

いつも「黙れ!」と怒鳴られていたときの、自分自身の気持ちは分かりますか?

話したかったことを分かって欲しかっただろうと思います。

分かってもらえなくて辛かっただろうと思います。

そして、そんな辛い気持ちも分かって欲しかっただろうと思います。

自分自身のそんな気持ちを分かってあげて、今のあなたから、過去の自分自身に対して、「本当は、話して分かってもらいたかったね・・・、分かってもらえなくて辛かったね・・・、一人でよく我慢したね・・・、よく頑張ったね・・・」などと優しい言葉を掛けてあげる、それが事情を理解するということです。

『暗い』に限らず、一般的に曖昧に使われているネガティブな修飾語や名詞を自分の状態にあてはめてしまう事は、その事情を理解しようとする事を妨げ、『すがすがしい心に戻る為の道』の扉を固く閉めてしまう事になるのです。

【例】

  • 私の心は弱い
  • 私はマイナス思考だ

(他にも、症状を表す名詞を含めて、本当に沢山あると思います。)

3.最後に

もしかしたら、これまでのあなたは、扉を閉ざすことで、困難を乗り越えてきたかもしれません。そうせざるを得なかった事情も、きっとあっただろうと思います。

そして、今のあなたは、それを続ける事に疲れてしまったのかもしれません。

心が苦しいと感じるということは、扉の前に立って、扉を開く方法を試してみようとし始めているということだと思います。

今回のメルマガによって、そんなあなたが、すがすがしい心へ戻る扉を開くお手伝いが出来ることを願っています。

その扉を開く方法を試していくことは、自分自身の理解にとどまらず、これまで理解できなかった他の人たちを理解したり、受け入れたりすることを、きっと、手伝ってくれるだろうと思います。

メルマガ編集後記【No.0005】

座禅で、『公案』について考える時、私が「公案の答えだ!」と考えて、それを私が通っていたお寺の老師に投げかけると、次のような言葉をしばしば私に返してくれました。

■公案は、月の方向を示す指でしかない。あなたは、なぜ、指の方ばかりを見るのですか?月の方を向かなければ、月は見えないのですよ。

(公案については、カウンセラーの座禅体験記を見て頂ければ、私が月ではなく指を見てあれこれ言っている雰囲気を何となく感じることが出来ると思うので、ここでは詳しい説明は省きます。)

今回のメルマガは、悩みこんでいるときは、逆に、

■月の方ばかり見て、指がどちらを指しているかを見られなくなってしまった状態

というところをテーマにしています。

なぜ、月ばかりを見てしまうようになるのでしょうか?

◇~~の為に、暗いのがダメだから明るくなろう!

はじめは、指が指すものを手に入る為に立てた仮説くらいの、割り合い軽めのものだっただろうと思います。

でも、自分のネガティブな感情(悲しい、辛 い、苦しい・・・など)にフタをし続けているうちに、『執着』に似た感覚が芽生え、そして、そのフタがいつも自分の心にあることで、芽生えたその感覚を大きく育ててしまうから、「自分の指が今どこを指しているのか」に意識が向かなくなってしまうのかもしれないと思うのです。

だから、何よりも先に、まず、

  • 自分が泣きたいことに気付いてあげましょう。
  • そして、泣きたい時には、自分の為に、ちゃんと泣いてあげましょう
  • 自分が嬉しいことに気付いてあげましょう。
  • そして、嬉しい時には、自分の為に、ちゃんと喜んであげましょう

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