誰でも、次のような言葉を聞いたことがあると思います。
- 「他人と過去は変えられない」
- 「過去は変えられないけど、未来は変えることができる」
そして、たぶん、誰もが「それは、もっともなことだ」と受け入れていると思います。
- 『過去』って何なのでしょう?
- 『現在』って何なのでしょう?
- 『未来』って何なのでしょう?
あらたまって問われると、答えに困ってしまうと思います。
今回は、『過去』、『現在』、『未来』という言葉をヒントにして、「後悔しない生き方」を考えてみます。
ちょっと、分かり難い話かもしれないのですが、最後まで読んでいただけると嬉しいです。
『過去』、『現在』、『未来』について考えるとき、2通りの解釈があると考えています。
1つ目のイメージ
1つは、次のようなイメージです。
- 『現在』 : ここ最近の自分が置かれている状況
- 『過去』 : 記憶に残っている状況や出来事
- 『未来』 : ある不定期間先の漠然とした時期の状況や出来事
私たちの『過去』、『現在』、『未来』に対する普通のイメージは、これに近いものがあるのではないでしょうか。
このような漠然としたイメージの中で、始めに書いた
- 「他人と過去は変えられない」
- 「過去は変えられないけど、未来は変えることができる」
といった言葉を思い浮かべると、
「後悔しない生き方」とは、
- 自分の未来を、今よりも良く変えていくために努力をして生きること
- 自分の目標を実現するために努力をして生きること
といったようなことを考えると思います。
一般的には、
- 何をより良くしていくか?
- 何を目標とするか?
と考えるとき、職業・地位・名誉・経済状態・人間関係などに意識が向かいがちになります。
しかし、このような考えだけに囚われていると、平凡な毎日が続いたり、目標が実現できなかったときに、
- 「自分は何のために努力をしてきたんだろう・・・」
と後悔することになり兼ねません。
なぜなら、そのような未来がやってくる保証など無いからです。
また、努力の結果、以前に比べて一段階より良くなったとしても、そこでとどまることができずに、更に、その上を目指さなければならなくなります。
いつまで経っても「より良くする努力」から解放されません。
目標を実現してしまったときには、別の目標を見つけなければならなくなってしまいます。
これらのような生き方に徹した状態を、極論的な表現をすれば、
- より良い未来を手に入れるために、『 今 』 を犠牲にする生き方
- より良い未来を手に入れるために、『 今 』 を賭ける博打
といえるのではないかと思います。
2つ目のイメージ
もう1つは、次のようなイメージです。
- 『現在』 : 何かを感じたその一瞬 ( 何かを感じているその時 )
- 『過去』 : 自分に何かを感じさせた出来事や状況、又は、その記憶
- 『未来』 : 自分に生じた感覚に基づいて、考えて行動した結果として起こること(自分のために生じさせられる変化)
この考え方のポイントを説明します。
1つ目のポイントは、「感じること」が非常に重要だということです。
感じなければ、もしくは、感じていることに気づかなければ、「現在」を生きていないことになります。
当然、「現在とつながる未来」はやってきません。
2つ目のポイントは、「時間の経過」です。
- 考えている時間
- 考えたことを実現する為の行動が完了するまでの時間
が長ければ長いほど、「人に何かを感じさせた出来事や状況(人にとっての現在)」は、刻々と「変えることの出来ないただの記憶」、つまり、「過去」へと移り変わってしまいます。
「他人と過去は変えられない」といわれるあの「過去」にです。
ですから、あまり考えてばかりいると、いくら良い考えが浮かんだとしても、後悔を多く作ってしまうことになります。
逆に、感じてから考えて行動するまでの時間が短ければ短いほど、自分に感覚や感情を生じさせた出来事は、変えられない過去ではなく、(変えられる未来へと続く)現在に限りなく近づくことになります。
3つ目のポイントは、「未来の距離感」です。
1つ目のイメージのような遠い未来ではなく、2つ目のイメージでは、数秒~数分先(長くても数時間~数日先)のごく近い未来です。
これらを踏まえて、あまり後悔せずに生きていこうとすると、次のように過ごすことが大切になります。
- 実現まで時間が掛かるようなことに執着せず
- 自分が感じていることに気づき
- その時々の感情や感覚の一つ一つ大切に拾い上げて
- それらの感覚や感情を満たすために、数秒~数分先(長くても数時間~数日先)に実現できるようなことを、
- 一つ一つ実現していく
もちろん、何かを実現することによって、相手と自分のどちらも、犠牲にならないことが大前提です。
数秒~数分先(長くても数時間~数日先)に実現できることとは、例えば、次のようなことです。
- 悲しければ、泣ける状況を整えて泣く
【例】 そうかそうかと言って話を聴いてくれる人を探して会う(電話する) - お腹が空いたら、何を食べたいかを考えて食べる
- 嬉しければ、喜べる状況を整えて喜ぶ
【例】 一緒に喜んでくれる人を探して会う(電話する) - 苦しければ、苦しい気持ちを話せる状況を整えて話す
【例】 そうかそうかと言って話を聴いてくれる人を探して会う(電話する) - 伝えたい気持ちを、伝えたいときに伝える
このようなことは、すぐにでも実現できます。
これらのようなことが、「変えることのできる未来」なのです。
このような簡単なことなのに、
- 感情や感覚に気づかない
- 感情や感覚に気づいても何もしない
- 何かしようと考えているうちに長い時間が経過してしまう
- 難易度の高い解決を選択してしまったため、行動を完結するまでに時間がかかる
- もともとの感情や感覚とは無関係なことの実現にこだわる
といったことでモタモタしているうちに、「未来に続く現在」は「変えることのできない過去」に、刻々と変化してしまいます。
そして、細かな満足を蓄積できずに、細かな後悔を蓄積し続けてしまうのだと思います。
最後に
ご紹介した2つのイメージのうち、どちらが正しいとか間違っているとかいうことありません。
1つ目の「過去」「現在」「未来」のイメージを持つことは、人生の目標を持つことにつながり、毎日の生活を刺激のあるものにしてくれます。
2つ目の「過去」「現在」「未来」のイメージを持つことは、その時々の感情や感覚に気づき、気づいた感情や感覚を大切にし、その時々の自分を満たすことにつながります。
要は、「過去」「現在」「未来」に対する2つのイメージをバランス良く持つことが大切なのだと思います。
何かを感じていただければ幸いです。
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