26.心理カウンセリングの目的
読むカウンセリング 2012/03/08
今回のメルマガは、カウンセリング樹海に迷い込んでしまった方が、そこから抜け出して、カウンセリング森林公園でオリエンテーリングを楽しんでいる気持ちになれるような地図をお渡しできたらいいなと思って書きます。
心理カウンセリングの目的
心理カウンセリングに対する不安
突然ですが、「心理カウンセリングの目的」って何だと思います?
心理カウンセリングを受ける目的は、細かなところに焦点を当てれば、人によってマチマチですが、大雑把に捉えると『楽な心を取り戻すこと』といって良いのではないでしょうか。
そして、勇気を出してカウンセリングに足を運ぶのは、カウンセリングが今までの自分の思考では分からなかった『楽な心を取り戻す』方法を教えてくれることを願うからなのだと思います。
カウンセリングの日程が決まった時、カウンセリングに不安を感じながらも「これで楽になれるかもしれない」という期待に、気持ちが少し楽になることは多いでしょう。
しかし、人によっては、カウンセリングに通っているうちに、「本当にカウンセリングで心が楽になるの?」と不安になることがあります。
そのまま不安を放置してしまうと、はじめに感じた期待よりも不安の方が大きくなってしまい、もとの苦しい気持ちに逆戻りしてしまうこともあります。
逆に、カウンセリングが、苦しみの種になってしまうことさえあります。
このような状況に陥る原因の1つに、カウンセラーから『楽な心を取り戻す』という具体的な道のりを示してもらえないことが挙げられます。
座禅と心理カウンセリング
心理カウンセリングには、座禅の修行に似た性質を感じるところがあります。
座禅では、本当の心の理解は自分の内側から起こると考えます。
指導者は、修行者に答えは教えてくれません。
座禅では、知識(言葉)が心を曇らせていると考えます。
そのため、修行者に答えを教えれば、心を曇らせる材料を新たに与えてしまうことになってしまいます。
ですから、指導者は、答えを教えたくても教えられないのです。
指導者が唯一できることは、修行者の内側で理解が起こるようにヒントを出し続けながら、ただその時が来るのを待つことだけです。
心理カウンセリングも同じようなところがあります。
心を本当の目的へと導いてくれるのは、自分の内側からの答えです。
カウンセラーがそれを言ってしまえば、相談者を、否定したり、新たな規則によって縛り付けることになる心配があります。
ですから、あえて相談者に答えを示さないところはあります。
また、心の解決の細かい道筋は人それぞれなので、具体的なことは示せないということもあります。
私は修行的なことが好きだったので大丈夫でしたが、全ての人が修行的な雰囲気を求めてカウンセリングを受けているわけではないと思います。
ですから、せめて「なぜ、カウンセリングが苦しさの解決につながるのか?」のあらましくらいは知っておかないと、不安な気持ちになるのは当然だと思います。
(高い代金もかかるのでなおさらです。)
自分以上に自分を理解してあげられる人はいない
私のカウンセリングの先生が「自分が自分のカウンセラーになれたら一番良いんだけどな・・」と言っていたことがあります。
私も、自分のテーマを解決しようとカウンセリングを受けていた時に、同じ事を感じました。
もう少しで心の痒いところに届きそうな感じがするのに、それを話しても担当のカウンセラーは、いつもそこは素通りしてしまうからです。
でも、これは冷静になって考えてみれば、当たり前のことです。
- そこが心の痒い部分だということ
- そこをどうして欲しいのか
それらは、自分にしか分からないことです。
いくらプロのカウンセラーといえども、他人が、そこまできめ細かく自分の面倒をみれるはずがありません。
逆に、自分だからこそ、どこまでもきめ細かく自分の面倒をみてあげることができるのです。
カウンセリングのあらまし
最後に、カウンセリング樹海から脱出し、カウンセリング森林公園でのオリエンテーリングを楽しむための地図になることを願ってまとめを書きます。
(1)思考から離れ、これまで気づかないようにしていた自分の感情に気づくこと
(2)カウンセラーとのやり取りの中で、その感情を肯定され、大切に扱われることに慣れること
(3)自分の感情に気づき、その感情を肯定し、大切に扱うコツをつかむこと
(4)日常の生活でも、掴んだコツを実践すること(自分にも、他人にも)
(3)(4)をもう少し具体的に書くと、自分に対して
- 「そうだよね、そういうことがあれば、つらくなっちゃうよね」
- 「そういうことがあれば、悲しくなっちゃうよね」
- 「そんな気持ちなのに、我慢して、よく頑張ったね」
といったことを言ってあげられるようになることです。
(1)は、オリエンテーリングのチェックポイント探しのようなところです。
カウンセラーと一緒になってチェックポイントを探しながら、見つかった感情を話せすことが(2)の体験につながり、チェックポイントのスタンプを押すことになります。
その繰り返しによって、主要なチェックポイントのスタンプを集めながら(3)を目指します。
(3)がつかめてくると、(4)にチャレンジしたり、チャレンジしたことで生じた感情をカウンセラーにフォロー((1)(2))してもらいながらから(3)のスキルアップをしていき、やがて、カウンセラーなしでも自分の感情を、優しさを伴った適切な対処ができるようになっていくのです。
これが、カウンセリング森林公園でのオリエンテーリングで使う地図です。
カウンセリングの目的は『自分が自分自身の良き理解者となること』です。
自分が自分自身の良き理解者となれれば、カウンセラーに頼りっきりにならなくても、自分の力で自分を楽にしてあげられるようになれます。
そんなコツを習得した結果として、楽な気持ちを取り戻すことが出来るのです。
参考ページ
■カウンセリングの目的は、つらい過去をカウンセラーに暴露することではない
https://www.pureheart-counseling.com/counseling/763/
■インナーチャイルド・ヒーリング
http://www.childcare.pureheart-counseling.com/innerchild-healing