心を楽にするために振り返る子育て

第06回 「価値観」に隠れる本当の気持ち

(2005/05/26)

前回、それぞれの人が持っている価値観が違うという事を、「整理整頓」や「時間を守る」ということを例にしながらご説明しました。

今回は、「そもそも、価値観って何なの?」といったことについて考えてみたいと思います。

『価値観』というものは、大きく次の2つに分けることが出来ると考えています。

1.大切にすることで心が豊かになること(内の価値観)

2.「~しなければならない」と考えていること(外の価値観)

【例:きれい(整理整頓)好き】

1.きれいにしていると、ウキウキ・ワクワクする

2.きれいにしていないと、気が済まず、どちらかというと、楽しむ感じではない

「きれい好き」を例にして、説明を続けます。

「きれいにしなければならない(外の価値観)」ということを、大自然をイメージしながら、少し考えてみて下さい。

「大自然の中に、整理整頓などということはない」ということに気づかれるのではないでしょうか。

つまり、「整理整頓」は、普遍的な事ではなく、実は、社会や文化が作り出したことで、時代や場所(国、地域、家庭・・・)が異なれば変わってしまう『ある種の流行』のようなものなのです。

この2つの価値観を区別するのに、次のような事は、ひとつの目安になるかもしれません。

・誰かが、それを軽視したと感じた時に、イライラした感覚が起こる

・それに関わっている時に、ウキウキ・ワクワクするというよりは、辛い感覚のほうが強い

本人はあまり気付いていないのですが、「外の価値観」は、もともと自分の中にあったものではないので、それを守るために相当の努力をしていることが多いと感じています。

「イライラ」や「辛さ」は、そんな頑張りの証なのかもしれません。

そんなにも頑張っていることだから、他の人がそれを軽視したりすると、イライラしてしまう気持ちは、理解できると思いませんか?

そして、自分の中で「外の価値観」が大きくなってしまうと、頑張らなければならない範囲も広がってしまうので、「内の価値観」を大切にするどころではなくなってしまうだろうと思います。

逆に、「外の価値観」が小さくなっていくと、「内の価値観」がひょっこりと顔をのぞかせ始めるのかもしれません。

そして、顔をのぞかせた「内の価値観」を大切にしながら、改めて、「外の価値観」と折り合えるところを探っていくと、「しなければならない」ことばかりだった世界は、だんだんと「~したい」気持ちで満たされていくのかもしれません。 それは一体、誰(何)が、言っていることなのですか? 

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