お年寄りのことを書いたので、今回は子供のことを書きます。
何年も前の「幼稚園の運動会」での出来事です。
子供をトイレに連れて行くと、大行列。
仕方ないので「頑張れ!」と、子供を励ましながら、行列に並んでいました。
そんな状況で、行列に気づかずに、トイレに一目散に駆け込んでいく子供がいました。
年配の男性が、大きな声でその子を怒鳴りつけました。
「こら!列に並びなさい!」
騒がしかったトイレ周辺が静まりかえり、
その子供は、行列に気づき、行列の最後の方へと向かいました。
これ、たぶん、その年配の男性が、「他人の子供も叱ることが大切」という話を信じての行動だったのだと想像しました。
テレビなどで、たまに、 若者の行儀の悪さは、「最近の大人は他所の子供を叱らなくなった」ということが原因だと真顔で語る人がいます。
昔は、よその子供でも、悪いことをすれば、きちん叱ったものなのに、今は、そんなことがなくなった。だから、大人は、他人の子供でも悪いことをしていれば、きちんとしかるべきだ。
そんな論調です。
そんな話を真に受けると、ただ、おしっこが漏れそうで、行列に気づかずにトイレに駆け込んだ無邪気な子供を大声で怒鳴りつけたりするようなことになります。
でも、騙されてはいけません。
子供たちが、行儀が悪くなった(大人の言うことをきかなくなった)本当の原因は、子供たちの周りに優しく関わってくれる大人が少ないことです。
周りの大人にいつもうるさく言われていたら、そんな人たちの話は、もう聞きたくなくなります。
反発されたり、聞き流されたりすることはあっても、受け入れられることはまずありません。
周りの大人がいつも優しくしてくれていたら、「優しい人を怒らせてしまった・・・」と自らを省みて、相手の言葉も聞き入れるものです。
ですから、「他人の子供も叱る」ということを実践する前に、他人の子供でも、
- 苦しそうにしていたら、声をかける
- 苦しそうにしていたら、寄り添って話を聴いてあげる
- 嬉しそうにしていたら、声をかける
- 嬉しそうにしていたら、話を聴いて一緒に喜んであげる
- 頑張っていたら、声をかける
- 頑張っていたら、応援してあげる
ということを実践することに力を入れるべきです。
しかしながら、悲しいことに、現代社会は、見知らぬ子供と関わると通報されることもある時代になってしまいました。
ですから、せめて近所の顔見知りの子供や青少年、若者には、そのようなに優しく接してみてはどうかと思います。
そういうことを実践していないのであれば、子供たちを叱りつける資格はないと思います。
運動会でトイレに駆け込んだ園児の件も、まず、園児の話を聴いてあげていれば・・・
- 今にも漏れそうな状態だと分かれば、便器のところに連れて行ってあげて、他の親御さんたちに頼んで優先的にさせてあげることも出来たでしょう。
- 行列に気づいていないだけだったら、「行列の最後はあそこだから、並ぼうね」って教えてあげるだけで済んだはずです。
大人に優しくしてもらった子供は、大人から何か言われたとき、「ちょっと話を聴いてみよう」という気持ちにもなるでしょう。
もし、怒鳴りつけるような大人とばかり関わっていたら・・・
子供たちは、行儀の悪い、他人の話を聴かない大人へと育っていくことだと想像します。
近所の子供や若者たちに、ちょっと関わる機会があった子供や若者たちに優しい気持ちで接していますか?
【参考】
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