心を楽にするために振り返る子育て

モンスター・ペアレントとマスメディアの構造から考えたいじめ対策

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例えば、兄弟げんかで兄が弟を泣かしてしまったところを想像してみて下さい。

この時の反応で、心の傾向を3つに分類できます。

  • 泣かせた兄を責める:モンスター・ペアレント的傾向
  • 泣いている子供を抱きしめる:子供の心の元気を守れる傾向
  • 放置する:児童虐待的傾向

バランスの問題ですので、どれかの対処をしたということだけでは、その傾向があると断定できませんが、いつもいつもどれか1つに統一されている場合には、注意が必要です。

モンスター・ペアレントに関係する詳しいことは、別のページで説明していますのでそちらを参考にして下さい。

ここで、テレビのワードショーや報道ワイドショーのことを思い出して下さい。

事件についてキャスターや評論家やコメンテーターの発言は、次の図のようなことをやっています。

兄弟げんかのことで言えば、『兄』がよってたかって責められるような感じです。

これは、一般的には『弟』のことを思っての発言だと解釈されているのだと思います。

次に、モンスター・ペアレント的反応と報道の様子を並べて図にしてみます。

ご覧の通り、つらい気持ちの人をつらい気持ちのまま放置して、問題と認識する人を責めているという点では、同じだと分かると思います。

「心を救う」とはどういうことなのかが分からなくなりがちな現代において、テレビで四六時中、モンスター・ペアレント的な構造 ばかりを見せられ 批判的な言動 ばかりを聞かされていると「何か問題が起こった時には「問題を起こした人」を責め立てる」という反応が視聴者の心の中に、無意識のうちに定着してしまうのではないかと心配しています。

ちなみに、「人の心を救う」構造を、ワイドショーや報道ワイドショーに取り入れると、次のようになります。

これでは、問題の解決には繋がらないような感じがするかもしれませんが、苦しい人への対処を知らない人たちに、「本当に優しくするとはこうすることだ」と教えることになるので、優しい対応が、社会に広がっていき、それにつれて、優しいい社会になり、その結果、犯罪などの社会問題は、次第に減少していくのではないかと思います。

これらを踏まえると、「いじめ」へのもう一つの対処が見えてきます。

「いじめをしている人を登校停止にする」というのも一つの対応かもしれませんが、それよりも、「いじめがある」とか「いじめがない」とかいう認定が困難なことにこだわらずに、次のようなスローガンで対処してみたらどうかと思っています。

  • いつも一人きりでいる人を作らない
  • つらそうな人、寂しそうな人は、一人きりのまま放置しない

ただ、この先に一つの問題が隠れています。

  • せっかく近寄ってきてくれた人なのに、意図しない変な反応によって遠ざけ、孤立してしまう
    (簡単に書くと、『嫌われる』ということです)
  • 人と一緒にいると苦しくなるので、1人でいることを好むところがある

このような傾向があるので、自然に孤立してしまいがちで、一人きりを回避させるのが、難しいところがあるのです。

(私は、そんなところがあったのですが、)本質を理解せずに、いじめ対策と称して、ただ「いじめをやめろ!」と言って、子どもたちだけに責任を取らせようとしても、それは無理な話です。

先生や親が 「なぜ、その子が孤立してしまうのか」ということも、きちんと理解し、受容(許容)した上で、子どもたちをフォローしてあげる事が大切だと思っています。

子供の中で孤立してしまった子供でも、せめて先生や親などの周りの大人達が、孤立してしまった子供のことを気にかけてマメに声かけなどして関わってあげるようにすれば、「あらゆる人・社会・世界などから孤立している」と感じてしまう状態に追い込んでしまうことを防げるのです。

「防ぐ」というのは受動的な言葉なので、もっと能動的な「救う」という言葉で言い換えてみます。

子供社会で孤立してしまった子供でも、先生などの周りの大人達が気にかけて、声かけするなどマメに関われば、その子を孤独で冷たい世界から、人との関わりに温もりを感じる世界へと救い出すことができるのです。

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